沿革
昭和28年8月6日合成樹脂、化学薬品の輸入並びに国内販売を主要業務目的とし、山下樵曹を社長として設立、以来数次の増資を行ない今日に至ります。
大正6年、三井物産株式会社がまだ三井合名会社と称したころに、農林部から分社しマレー半島など東南アジアでゴムを栽培、国内で販売するための100%子会社、熱帯産業株式会社が日本橋室町三井ビルに設立されました。
昭和20年、敗戦により旧三井財閥は解体、経営者は公職から追放されました。海外資産は占領軍に没収され、その子会社は休眠状態となりましたが、数年後、公職に戻った元三井物産株式会社のナンバー2の山下常務取締役が、昔の部下達と共に休眠会社の熱帯産業を母体として昭和28年に三省物産株式会社を設立しました。時代の先行きを見越し、業種内容を天然ゴムから合成ゴム・合成樹脂へと転換し、現在の当社の基礎が作られました。当時、合成樹脂は全く新しい素材で、現在の普及を見ると今昔の感があり、当時の着目が卓越したものであった事がわかります。これが合成樹脂専門商社として現在ある当社の生い立ちとなります。
創業当時は未だ戦後の混乱期で、日本人の多くはただ呆然とした状態で、何を目的にして行くべきか方向を見定めるのが困難な時代でありました。現在では考えられない程、外貨事情の悪い中、通産省にお百度参りをして、欧米のメーカーから合成樹脂原材料の輸入を始めました。
昭和30年に入ると、合成樹脂は我が国の化学品会社が欧米のメーカーから技術移転を受け国産化が始まりました。現在は、殆どの合成樹脂が国産化され、品質では世界一流になっています。
当社は、自社で直輸入し、自分達で築き上げた販路を武器に、国産メーカーと代理店あるいは特約店契約を結び、木目細やかなネットワークを展開して今日に至っています。
御存知の通り合成樹脂の粗原料は石油になります。我が国は殆ど石油資源がありませんので、2度にわたるオイルショックで振り回されることもありました。しかし、合成樹脂は今や、生活必需品となり、ポリバケツ・洗剤等の容器・家電製品・OA機器・自動車・又は建材としてあらゆる分野に使用されています。